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海から食卓まで。島根・浜田「あけぼの丸ファクトリー」がつくる、誠実な干物の話。

2026.1.27

干物と聞いて、あなたはどんな味を思い浮かべますか?
”旨味はあっておいしいけれど、焼くと少しパサつく・・・”

もしそんなイメージを持っているなら
あけぼの丸FACTORYの干物を食べた時、きっと驚くはずです。

箸を入れた瞬間にじわっと溢れ出す脂、ふっくらと柔らかく瑞々しさを感じる身。
干物の概念を変える味わいを生み出す秘訣を、石川工場長に伺ってきました。

船団を持つ強み。海から直接届く“一気通貫”

島根県・浜田市に拠点を置く『有限会社あけぼの丸ファクトリー』。
干物加工の老舗・佐伯屋の伝統的な手法を受け継ぎ、上質な干物づくりに取り組んでいます。

加工技術も一級品ですが、
他社にはない特徴のひとつが漁獲から加工・販売まで一気通貫で取り組んでいること。
グループ会社で船団を保有しており、120トン級の大型船で魚を獲っています。

この船団が行っているのは、底引き網漁の”二艘引き”という漁法。
特定の魚だけを狙って獲れる漁法ではないので、その日・その海の状態によって、網に入る魚が変わります。「今日はノドグロが多いな」「今日はカレイが少ない」
貴重な情報が船団からリアルタイムで共有されることで、
獲れた魚に合わせて加工計画を整え、工場に届いたらすぐに作業ができるようになっているのです。

ノドグロ

「特にのどぐろは、時間がたって脂が回ると独特の赤い色が出づらくなってくるんです。
見た目が美しく・味もおいしい干物を作ろうと思うと、
”加工技術”だけではなくて、”加工までのスピード”も大事なんですよね。
その点、私たちは早く情報を仕入れて早く準備ができるので、より良い干物を作れる環境が整っています。」

漁獲から一貫して取り組むからこそ実現できる圧倒的なスピード感が、
驚くほどの瑞々しさを生み出す土台になっています。

「味」を追求する伝統的な干物づくり。

食べた人が驚くような味わいの裏側には、機械で置き換えることができない繊細な仕事がたくさん。
石川工場長に、海で獲れた魚が私たちの手に届くまでの工程を伺いました。

捌きから始まる、干物づくりの一日

水揚げされた魚は、競りにかけられた後に加工場に届き、職人の手によって捌かれていきます。
個体によって状態が違うため、目を光らせながら内臓を取り除き、干物に適した形に整える。
ここから先の工程すべてに影響する、大切な作業です。

鮮やかな手さばき。この日はプロ向けに納品する魚をさばいていました。

仕上がりを左右する、三度の「洗い」

捌いた魚は、すぐに洗いの工程へ。
手やブラシを使いながら、血合いや細かな汚れを丁寧に落としていきます。

その回数なんと3回。
冬場の水は手を入れた瞬間に感覚がなくなるほどの冷たさですが、
妥協することなく、一尾ずつ洗ってきます。

「血合いや汚れが残ると、干物に仕上げた時に臭みの原因になるんです。
魚は一尾一尾状態が違うので、触りながら判断していきます。」

目で見て、手で触れて。
機械では拾いきれない小さな違和感を、人の感覚で拾っていきます。

魚と塩だけ。引き算で生まれる、本物の旨味

あけぼの丸FACTORYの干物に使われているのは、魚と塩だけ。
保存料も、化学調味料も、pH調整剤も使いません。

魚本来の味わいを楽しめる構成ですが、シンプルだからこそ加工の腕が試されるともいえます。

「種類によって漬かり具合もいい塩梅も全然違うんです。
基本的なレシピはあるものの、魚の厚みや大きさ、
その日の環境にあわせて微調整するのでその加減を覚えるのが大変ですね。
いい干物を仕上げられるようになるまで、2年は修行しないといけません。」

塩辛くなく、それでいて生の魚以上の旨味を引き出す絶妙な塩加減には、
老舗「佐伯屋」から受け継いだ技が息づいています。

「干す」ことで、味を決める

塩漬けを終えた魚は、いよいよ干しの工程へ。
見栄えが良くなるようにヒレまでぴっちりと揃え、乾燥機の中に入れていきます。

石川工場長は、この干しの工程が一番やりがいを感じるそうです。

「干すことでうまみが凝縮されるので、すごく大事な工程なんです。
魚の種類や大きさによって干し加減が変わるので、最初は失敗も多かったですね・・・
見た目はきれいでも、商品にならないこともありました。
難しいからこそ、うまく干せた時の喜びは一塩です。」

真空冷凍まで、気を抜かない

仕上がった干物は、一枚ずつ真空包装し、すぐに冷凍されます。
冷凍のほうが鮮度を保ちやすく、真空にすることで霜や冷凍焼けも防ぎやすいからです。

ここでも職人の手と目が光ります。
包装の傷に繋がらないよう、歯やとげが出ていないか最終チェックして丁寧に仕上げていくのです。


自分へのご褒美に迎えたい一枚。

捌きから真空冷凍まで、妥協なく丁寧に作業することで生まれる干物たち。
なかでも人気なのが、「白身のトロ」と称されるノドグロの干物です。
そのほかにも、高級割烹監修の「のどぐろしゃぶしゃぶ」など、
一気通貫だからこその鮮度を楽しめるラインナップが揃っています。

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のどぐろの一夜干し
のどぐろ炙りしゃぶしゃぶセット

水産業を、浜田の未来へつなぐ

水産業界は今、厳しい状況にあります。
漁獲量の変動、燃料費の高騰、そして後継者不足。
全国各地で船団が減り「魚を獲る」「加工する」という営みを続けることが難しくなってきています。

それでも石川工場長は、浜田の水産業に希望を見ています。

「浜田は、水産業で育ってきた街です。魚を獲る人がいて、加工する人がいて、売る人がいる。
そのつながりがあったから、街が成り立ってきました。」

水産業の担い手不足が取りざたされている中、この工場では30代の若手職人たちが活躍しています。
毎日一尾一尾に向き合い、伝統的な技を磨いているのです。
その一方で、最新鋭の乾燥機や冷凍設備を取り入れ、作業の効率化と品質向上にも取り組んでいます。

「昔ながらのやり方でちゃんと美味しいものを作ることと、
効率的に届けられる仕組みを作って商売としても成り立たせること。
両方に取り組むことが、自分たちの事業や水産業を盛り上げていくためにも必要だと思っています。」


魚を獲って加工するだけではなく、きちんと“商売”として成立させること。
あけぼの丸FACTORYは、一次産業から三次産業までを一貫して担う”六次産業化”をとおして
漁業の未来をつなぐ挑戦を続けています。

海から受け取ったバトンを、一切の妥協なく、食卓まで。
その背景を知ってから味わう干物は、きっとこれまでより深く、豊かに感じられるはずです。

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